「義経」愚将論 海上知明 著
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稀代の戦術家であり、悲劇の英雄でもある、源義経のイメージが、180度引っくり返る本でした。
義経は政治的な能力が余りなかった。というのはよく言われるところですが、読んでいくと、政治どころか、戦略・戦術ともにダメで、「それじゃ義経ただの馬鹿じゃん。」という感想をいだきました。しかも性格も残忍。頼朝にも制御できない、野蛮な平家殺戮マシーンと言ったところでしょうか。
それまで無かった集団戦を初めて行った革命的な人物。というのも間違いらしく、それ以前から戦術を駆使した集団戦というものは行われていたようです。平清盛しかり。
義経の愚かさに対比するように、平知盛の優秀さが光ります。特に屋島の戦いに至るまでの経緯は凄い。結局負けますが。
さて、ここで疑問が沸きます。義経が本当に愚かならば、なぜ義経は平家に勝てたのか。幾つか理由を抜粋します。
- 偶然
- 平家のトップであった宗盛がダメなひと。
- 当時、西日本は食糧難で、豊作の関東勢が力を持っていた。
さらに、源平合戦の中でも大きな三つの戦いについて見ていくと、
この本を読んだ後でも、それでも連戦連勝してるんだから、やっぱり義経もそれなりには凄かったんじゃ無いの?と言う思いも完全には捨てきれない部分もあります。
それでも、大部隊を率いるような器では無く、200人とかを率いて突撃する部下の一人、くらいが丁度良い人物だったようです。