すっぽんさんのBLOG

本の感想を中心にした、趣味のブログです。

「自由をいかに守るか ハイエクを読み直す」 渡部昇一 著

 

 オーストリアの経済学者で、“マネタリズムの父”とも呼ばれるハイエクが書いた本、「隷従への道」を、分かりやすくまとめた本です。

 

 世の中、「右翼」とか「左翼」とか言いますが、ハイエクは右か左では無く「自由主義」か「計画経済」かで分けて考えます。そして、極端で過激な右翼、左翼に当たる、「極右」と「極左」は、一見すると、両極端の最も遠いところにあるように見えて、実のところ、言っていることや、やっていることは非常に似通っている。と言う指摘は、大変興味深くあります。つまり、例えば極右のナチスや、極左であるソ連の中身は同じようなものだと言うわけです。

 私はこの指摘を、丸い地球の上で、右に行っても左に行っても同じ「反対側」にたどり着く。と言うイメージで捉えました。

 この「自由主義」か「計画経済」か、という分け方は、世の中を理解する上で大きな助けになるように思います。特に、戦前の日本や、世界情勢を見る時に、必要不可欠な考え方でしょう。戦前の日本の右翼なんか、よく見ると、右なのか左なのか分からなくなってきますし。